保育園の種類と特徴

お子様を保育園に預ける段階になり保育園を探し始めると、様々な種類の保育園があることに気が付くと思います。
一度預けてしまうとなかなか他の保育園に切り替える事も大変になりますので、初めにしっかりとこれらの保育園の種類と特徴を把握してから保活を始めるのが良いかと思います。

保育園の種類

保育園(保育施設)は主に下記の分類に分かれます。

 認可保育園

概要

認可保育園とは国の基準を満たし、都道府県知事に認可された保育園です。
基準と言うのは、「敷地面積」「設備」「保育士の人数」等の事を指します。
公的に認可を受けているという事で、お子様を預けることに大きな安心感はありますが、これらの基準は決して保育の内容やサービスの基準ではありません。

認可保育園は国から金銭的な運営の補助を受けることが出来るので、その分保護者への保育料金の負担は軽くなります。
ですがこれによって入園するには”保育の必要性”の有無を審査される事になります。
保育の必要性とは、「経済的にお子様を預けて両親が働かなくてはならない」という状況の事を指し、その必要性によって入所の順番が前後します。

メリット
認可保育園の一番のメリットは保育料金の安さと言えます。
さらに大きな施設と沢山の園児と過ごすことで身につくお子様の社会性の育成も魅力になります。
また全ての認可保育園は給食制ですので働くお母様にとっての負担も軽くなります。
デメリット
認可保育園は、子育て期間の経済的な負担を解消するために国が補助をする保育園ですので、そもそも経済的な負担があまりないお家ですと入所が難しくなります。
つまり、「趣味や自分の時間が欲しいから昼間は保育園に預ける」と言った理由では入所は出来ません。
また、保育料金も両親の年収によって各々変わってまいります。
当然年収の低いご家庭の方が保育料金も安くなります。
ある程度経済的には余裕がある場合は、まず入所自体が難しくなることと保育料金も認可外保育園とそれほど変わらなくなることも認識が必要です。

 小規模保育事業

概要

小規模保育事業は認可保育園の1部です。
認可保育園にはどうしても入所希望者多く定員の空きが出るまで順番待ちをしている子供(待機児童)が存在します。
これらの待機児童問題を解消しようと2015年から始まった新しい認可保育園の種類で、他の認可保育園や幼稚園と連携した保育体制となっています。

お子様を預けるための条件や保育料金は認可保育園と変わりません。
認可保育園はまず園庭を設けるなど施設の敷地面積が大きいことが必要となりますので新規の開設が困難ですが、小規模保育事業はその名の通り通常の認可保育園に比べて敷地面積も定員も保育士の数も小規模になっていますので従来認可外保育園だった施設が小規模保育事業に切り替わってきている事例も多く見られます。

メリット
小規模保育事業のメリットも認可保育園と同様に保育料金の安さと言えます。
また、小規模保育事業は広い敷地を必要としないために認可保育園では不可能な駅近くの立地であることも多く、この場合通勤途中での送り迎えなどが楽になるメリットもあります。
デメリット
小規模保育事業は対象年齢が0~2歳ですので、いずれ他の保育施設への移動をしなくてはならないことを考えておかなくてはなりません。
また認可保育園同様にある程度経済的には余裕がある場合は、保育料金も認可外保育園とそれほど変わらなくなることもあります。

 横浜保育室

概要

横浜保育室は分類としては”認可外保育園”になります。
ですが、待機児童の軽減の単に横浜市が独自に設けた基準に沿って市から保育園への助成が行われるため、保育料金は認可保育園と同等程度になっています。

設備や規模はそれほど大きな施設はなく、ほぼ小規模保育事業所に準じる内容となっていますので、小規模保育事業か横浜保育室か、と悩む必要性はあまり感じません。
また横浜保育室への入所の申し込みは認可保育園とは違い、園に直接申し込む形となりますが入園の基準は認可同様「月64時間以上就労している等の理由で、保護者がお子さんを保育できない」等の制限があります。

メリット
認可保育園と同様に保育料金の安さと言えます。
また、小規模保育事業と同様に駅近くの立地であることも多く、この場合通勤途中での送り迎えなどが楽になるメリットもあります。
横浜保育室という名称から横浜市民でないと入園できない印象がありますが、実は対象は横浜市民と川崎市民になります。
デメリット
小規模保育事業と同様に対象年齢が0~2歳ですので、いずれ他の保育施設への移動をしなくてはならないことを考えておかなくてはなりません。
また認可保育園同様にある程度経済的には余裕がある場合は、保育料金も認可外保育園とそれほど変わらなくなることもあります。
横浜市近くに在住であっても横浜市・川崎市の住民票でなければ入所が出来ません。

 認定こども園

概要

認定こども園は、幼稚園と保育園のメリット部分を合わせたような形態の保育施設です。

幼稚園 ⇒ 教育
保育園 ⇒ 保育

の両方を一体で行っているのが特徴です。
また、0歳から就学前の子どもまでが対象年齢となり、保護者が働いている・いないに関わらず利用でき預かり時間も幼稚園に比べて長くなります。

認定こども園の発足には近年の幼稚園の園児不足(「幼稚園では預かり時間が短いので保護者の仕事に支障が出る。」「施設が大きいため駅から離れた郊外の立地が多い」などの理由で)が背景にあり、幼稚園の施設の有効利用で待機児童を減らす狙いがあります。
認定こども園については別の記事詳しくご紹介いたします。

メリット
認可保育園と同様に保育料金の安さと言えます。
保護者が働いているいないに関わらず入園を希望することが出来ます。
0歳から就学前までの幅ひろい年齢の子供が対象となります。
デメリット
認可保育園同様にある程度経済的には余裕がある場合は、保育料金も認可外保育園とそれほど変わらなくなることもあります。
ほぼ既存の幼稚園がベースになっているため、園庭や建物の規模の関係から土地の少ない駅近辺での立地にある施設は稀です。
このため送り迎え等、送迎バスの時間に縛られるようになります。

 企業主導型保育園

概要

企業主導型保育園は内閣府が助成を受け、企業が保育所を設置して運営を行っている保育園です。
基本的にはその企業で働く従業員の子供を対象とするのが建前ですが、「地域枠」というものを設けていて、運営する企業の従業員でなくてもその地域にお住いのお子様でしたら入所が可能です。
「従業員枠」より「地域枠」の方を大きくとっている保育園も多数あります。
国の助成を受けることが出来るために、保育料に関しては認可保育園同様に保護者の負担は軽くて済みますが、申し込みや契約は保育園と保護者の間で行われるために入園のハードルは低くなります。
企業主導型保育園の形態は、やや複雑ですので別記事にて詳しくご説明します。

メリット
企業主導型保育園は保育料の負担が軽い割には、まだ新しい制度の保育園のため認知度が高くありません。
そのため比較的入園希望の倍率が低く入園しやすい傾向にあり、産休明けや育休明けなどの1歳未満でも年度の途中で入園できることが多々あります
さらに認可保育園と違い園と保護者間の契約となるため、認可保育園のように保護者の状況で入園の順番が決まることはなく、申し込み順となるためタイミングが良ければ即時入園する事も可能です。
デメリット
自社の従業員の子供を対象としているが建前なので、運営者が保育園の運営経験と知識があるとは限りません。
一定数のプロの保育士を揃えていることはもちろんですが、運営基盤が保育のプロであるとは限らないという点で、はじめにしっかりとした見極めが大切となります。
しかしこれはどのような形態の保育園でも全ての運営者が保育のプロであるとは限らないので、企業主導型保育園だけのデメリットとは言えないかもしれません。

 認可外保育園

概要

認可保育園は設備や規模や定員の基準を満たし、助成を受けて運営しているのに対して、これらの基準を満たしていないため全て独自の収支で経営を行っているのが認可外保育園です。
ここでよく誤解が生まれますが「認可外」=「無許可」ではありません。
認可外保育園でも開設するにあたっては保育士の数や施設の状況などきちんとした許可を得ておりますので、認可外保育園の方が保育の質が落ちるという事は全くありません。
認可の内容は設備や規模ですので、保育の内容とは無関係なのです。
むしろ認可外の方が自身の采配で保育園を経営していかなくてはならないので、個性的な保育内容や保護者に対しても認可保育園ではなし得ない細かいサービスを提供しているところが多々あります。

メリット
一番のメリットは、認可保育園のように親が保育できない理由などを問わないことです。 どういった理由で子供を預けるにしても定員にあきが有れば受付てもらえます。
また前述したように認可外保育園はビジネスとして経営していますので、保育の質やサービス面で認可保育園にはない魅力が多々あります。
デメリット
認可外保育園は助成と言う運営資金の補助を受けていないために、保育料金は全て保護者の負担となりますのでその他の保育園に比べて割高になります。
各々のパターンで料金差は様々ですが、認可保育園の2~3倍程度保育料となることが多いようです。
それと認可された保育園は地域の公共サービスという一面を持ちますが、認可外は企業のビジネスですので経営の不振によっては預かっている子供がいても閉所せざるを得ない状況になることもあります。

以上が主な保育園の特徴ですが、どの種別保育園でもメリットもあればデメリットもあります。
また同じ分類の保育園でも各保育園によって運営の方針や保育の内容も違う事が普通ですので、まずはお子様を預けるにあたって事前にしっかりと情報を得ることが大切です。
しかし、認可保育園の場合はまず入園できるかできないか、、という状況の事が多々ありますので、いくつかの保育園を見比べて選ぶという事は難しいようです。